お助け部ッ☆
『何やってんすか』
場違いな音を出していたのは……
「おぉ!姫ちゃん♪お勉強?偉いなー。ご褒美に姫ちゃんにもやろう!!」
静寂で広大な図書室全域に聞こえるバカデカイ声。
何人もの生徒が、【あいつ邪魔。】といった目をしてこちらを見ていることに気づいているのかいないのか。
その【あいつ】は、人懐っこい笑顔でポテトチップスの袋をあたしに差し出した。
『ここ、飲食禁止ですから……翼先輩』
桐生翼。多分お助け部一、非常識。
「おっ!?マジ!?じゃあ明日から飲食okにかえとくわ」
多分じゃない。間違いなくお助け部一、いや学校一、むしろ世界一非常識。
『何言ってんですか。校則で決まってるんだから無理ですよ』
「校則は【俺】だから♪」
翼先輩、もしかして地球は自分中心に回ってるとか、地球の中心は自分だとか言うタイプの人?
『翼先輩、地球は何を中心に回ってるんでしたっけ?』
「地軸」
正論ーっ!!この人の脳内がわからない!!
『校則は俺って……』
「あぁ、それは…」
次の瞬間、翼先輩はあたしの予想を遥かに越えた答えを言った。
「俺、生徒会長なんだよねー」