お助け部ッ☆



「まぁその彼女みたいに、素の翼を見たら中身も知らずに拒絶するだろう人もいっぱいいる」




…そうだ……あたしもその一人だったんだ。


翼先輩があんな性格だなんて、見た目からは想像つかない。


チャラチャラしてて、ちょっと怖そうなイメージしかないし。


でも実際はそんなことない。


いつも軽くて、何も考えてなさそうだけど、実は一番人のことを考えてる。


この間の結婚式の件、本当の依頼は彼女の婚約解消までで、結婚式は依頼外だったんだってね。


あたし、後から聞いたんだけど……


結婚式を企画したのは翼先輩で…


理由は思い立ったら即行動!!がモットーだからだそうだ。


あの時点じゃ誰も結婚式挙げようとまで思い立ってなかったってのに……


【どーせ挙げるんなら今日にしちゃおーよ。今まで散々辛い想いしてきたんだから、丸一日幸せな日があってもバチあたんねーよ♪】


ってさ。


ただのチャラ男じゃないんだよ。あの人は。




「で、翼は思いついたわけだ」

『えっ?何を??』

「【相手が自分の外見を見て否定してくるんなら、外見を変えればいい。相手が自分のしゃべり方に文句をつけてくるんなら、納得してもらえる言葉遣いになおせばいい】ってね」

『内面を見てもらうために自分を変えたってことですか?』

「おぉ、珍しく物わかりいいね」




一言余計だよ。


……でもそれって…




『翼先輩は…自分を偽って生きてるってことに……?』




あの翼先輩が?そんな辛いこと…してんの…?
本当は…無理して笑ってんの…?




「…姫ちゃんはそう思うの?」

『え?』




その時、ものすごい勢いでドアが開いた。




「聞いてーッッ!!」

『「!?」』




あたしも大和先輩もビックリした。


思わず耳を塞ぎたくなるバカデカイ声。


この声の主はもちろん……



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