お助け部ッ☆
「ココア〜♪あれ!?もうない!?ちょ、もう一本!!」
30秒たらずで飲み干した翼先輩は、空き缶をあたしの目の前に差し出す。
あたしが反抗しようとすると、
「自分で行ってこい。ハンバーグカレー、食べたいだろ?」
「行ってきます!」
大和先輩が代わりに追い払ってくれた。
翼先輩が出ていった後。
「姫ちゃん、知りたい?翼が生徒会長なワケ」
大和先輩があたしの隣に座りながら言った。
『ぜひ!!』
元気よく答えたあたしに一瞬だけ微笑んでから真面目な顔になった大和先輩。
もしかして…結構深い理由が…?
「翼、切り替えの早さは人十倍なんだよ」
『き、切り替え??』
人十倍って……早っ!!
「アイツ、人懐っこいだろ?」
『馴れ馴れしいとも言いますけどね』
あの人、いつのまにかあたしの前に現れてたからね。
「ははっ、確かにな。でもそれがアイツの良いとこでもある」
『…そーですね』
それは認める。
どんなに疲れてても、翼先輩の笑顔見ると、なんか元気になれる。
「翼はどんなタイプの人間ともわかり合える、天性の才能を持ってんだろうな」
うん。確かにね。でもなんとなく話題逸れてない?
「でもね、さっきの彼女…眼鏡でみつあみの…」
『あぁ、ビバ真面目ちゃん』
「何それ」
冷たい視線が降り注ぐ。
『さっきつけたあだ名です。すんません、ネーミングセンスなくて……』
若干の沈黙の後、また大和先輩が話し始めた。