「好きだよ、まゆり」
……そして話したあと大いに後悔した。

自分がゲーム廃人ということをカミングアウトだけじゃないか。

ただでさえ真由理くんにはいろいろ面倒をかけているのに。


ゲームが消えたからって大泣きして

現実も見ずにそこに逃げてばかりいるみたいだ。


「……そうだったんスか」


真由理くんはいつもの無表情で淡々とうなずいた。

どう思っているのかわからない。

というか、間違いなく引いてる気がする。


「なんか……ダメだね、私。こんなことでこんな泣いて」

「そっスか?」

「そうだよ。普通にダメでしょ。わかっていたの、ゲームに逃げて、ゲームのキャラに依存して。現実から逃げて。ろくなことしてないって」

「それってそんなダメなことですか?」

「え」


なにを考えているかよくわからない真由理くん。

でもその目は少なくとも私を馬鹿にしているようには見えなかった。


「俺そういう気持ち、わかる気がします」

「なんで……」

「俺……ファンなんス。

マユリ……シュースタの古市マユリの」

「え!」

「バイトしてんのも、CDやコンサートとか、あとグッズ代のためっス。先月もシュースタのコンサートで横浜まで行きました」

「ええ!」


ガチじゃん。

ガチなやつじゃん。

いや、男の子でシュースタファンもいると思うし、いいことだと思うけど。

さすがに意外だった。



< 20 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop