アンティーク

「なんか、気分良さそうだね」

「そう?」

先に来ていたレオは、将生の顔を見るなりそんなことを言う。

サンドウィッチを片手にっている将生とは逆に、レオは男らしく中華丼なんかを食べていた。

ハーフの顔に、中華丼は少しに合っていないも、レオは満足そうにそれを食べている。

「いいことあった?」

「優しい人に会ったってとこかな」

何故か将生は、玲奈の名前を言わずにそう表現する。

「そう……、よかったね」

レオは最後の一つである海老を口の中に入れた。

男の将生でも見惚れてしまうレオの顔が、海老の美味しさでくしゃっとなる。

そんな表情もまた人間味があって、絵のモデルにでもなりそうだと将生は思う。

「そんなに美味しいか?」

「将生のサンドウィッチには負けるけどね」

嫌味なのか、それとも単純にサンドウィッチのほうが美味しいのか。

レオの表情からそのどちらのなのかは読み取れなかった。

話していると遠いところから窓を叩きつけるポツポツという音が聞こえてきて、外を見ると、さっきまでの天気が嘘かのように雨がざあざあと比較的強めに降っていた。

夏は、通り雨が多い。

「今日もバイトか?」

「うん」

「傘、一応持ってったほうがいいかもな。」

将生は、雨でぼやけている外を景色を見るとそう言う。

「そうだね。いつ雨降るか分からないしね」

「おう」

その会話が終わると、将生はようやく買ってきたサンドウィッチを食べ始めた。
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