アンティーク
全員が揃ったところで、俺たちは美術館に向かって、歩き始める。
隣を歩く玲奈さんを見ると、分かりやすくそわそわしていた。
「どうしたの?」
「あ、男の人に囲まれて歩くの、少し緊張するなって。こんなこと、今までになかったから」
「そっか、ごめん、そこまで考えてなかった」
「いえ! 私たち、友達ですもんね、緊張しないように頑張ります」
将生は、彼女の言葉を聞いてうんうんと頷く。
玲奈さんは、自分にそのことを言い聞かせてそれが効いてきたのか、少し緊張感が解けたようで、肩がさっきよりも強張っていなかった。
あの夜も、2人で歩いているときに緊張してたのかな、なんて考えると少し可愛いなと思ってしまう。
「あ、着いたよ」
将生は建物の姿が見えると歩くのを止めて、それに続いて俺と玲奈さんもその場で止まる。
まだ人は少なく、扉も開いていない。
中の受付の人が準備をしているのが見える。
美術館の横にある芸術的な時計を見ると、開館まであと5分ほど時間があった。