アンティーク

30分ほどで食べ終わると、俺たちは店を出た。

会った時にはあんなにそわそわしていた彼女も、今ではリラックスしている様子。

その様子を見て、ほっと一安心した。

今日のこの時間が、彼女にとってきっとマイナスなものではなかっただろうとなんとなく感じたから。

「私、そろそろ行きますね。今日はありがとうございます」

「こちらこそ」

「またな」

大学の方向に歩いていく彼女を、2人で見送る。

だんだん小さくなっていく彼女、最後は街行く人々で消されて見えなくなってしまった。

「彼女、この前男の人と歩いてたよ」

前を見ながら、将生は俺に言う。

「え?!」

「ごめん、嘘ついた。すごい、びっくりしてたね今」

その言葉に、何も言えなかった。

図星だったからだ。

早く動く心臓を鎮めようと、ゆっくりと息を吸うもそれは意味がない。

彼女の顔がチラついて、先ほどの将生の言葉が俺にしつこく迫ってくる。
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