アンティーク
この前のカフェは、音楽棟からは少し離れている美術棟の方で、私は早足でカフェへと向かう。
やっぱり、私より先に将生さんは来ていた。
「お待たせしました。ごめんなさい、待ちましたか?」
「いや。全然」
将生さんは、優雅にコーヒーを飲んでいた。
私も、同じくコーヒーを頼むことにした。
「あ、これ。この前の。ありがとう。…………あとこれ」
将生さんは、ハンカチと一緒に可愛らしいサンドウィッチの絵が書いてある紙袋を私の前に差し出した。
なんだろう、と思って開けてみると、中にはその書かれている絵のサンドウィッチが入っていた。
「これは……?」
「なにか、お礼と思って。迷惑だった? サンドウィッチ嫌いだった?」
「いえ。そんなことないです。サンドウィッチ好きですし、わざわざ、ありがとうございます」
よかった、と将生さんは安心したような表情で呟く。
こんな表情、初めて見た。
最初は冷たい人かと思っていたけれど、そんなことは全然なかった。
むしろ、彼は優しい人なんだ。