Little Gang
「染谷さん、楽なんか求めないで。 ・・・罪悪感に苛まれても、生きることを諦めないでよ」
『幸せや希望を強請ってるわけじゃないよ。 ・・・自分らしくありたいだけで、今も・・・叶わない夢にもがいてばっかだし』
夢が夢で終わる前に、想像してたい。
輝く世界なんてのを・・・。
アイジさんならきっと・・・負けるな、逃げるなって・・・怒るだろうな。
分かってはいるんだ。
でもね?
誰もが弱さに打ち勝てるなら、悔し涙なんていらないんだ。
「いや・・・怖くても、君は踏み出すよ。 正直、僕は見たくないものに目を背けてばかりで、姉さんとちゃんと向き合えなかった」
「・・・染谷さんからも、逃げようとしてた。失うことを考えたら、身体が拒絶するんだよね」
『・・・・・・』
「染谷さんが僕に向ける駆け引きなしの信頼とか無条件の優しさが、揺るぐことのない一途な愛情が怖くて・・・どこかで遠ざけようとしてた」
『腹の探り合いも楽しかったよ』
「・・・ごめん」
その言葉に、必死で首を横に振る。
ハルカくんが謝る必要なんて、ない。
「でも、後悔って自分を信じれないことだってそう思うこと事にしてみたんだ。 生きてるうちはやりたいことだらけだし・・・染谷さんと組めば楽しくなるよね」
『へっ?』
「・・・僕を見つけてくれて、ありがとう」
『ハルカくん・・・』
私の気持ちは、伝わっていた。
ハルカくんは、ちゃんと分かってくれてた。
『お礼を言うのは私の方だよ』
人の優しさや、笑顔。
それがどんなに大切で尊いことだったか。
ハルカくんのおかげで、思い出せた。
ずっと忘れてた温かな気持ちを・・・。
・・・忘れなきゃいけない感情を、思い出して、しまった。