俺とのすべては 期限付き!
今夜のリクエストはかなり細やかなものだ。

「お夕、こんな感じでいいか?」

「ああ、ちょうどいいわ。」

彼女の指先の動きは丁寧で

それを優しくもみ込みつつ両手を使った。

柔らかさが増したようだ。

俺はその様子にじっぐりと見入った。

「次よ、そう今よ、今。」

俺は言われた通りに従った。

「あ~ん、ダメ、一度にそんな全部は。」

「こっちは熱くなってるけど。」

「いや~ん、こんなにして、もうトオルったら。」

俺がぶちまけた白いもので

今やキッチンが滅茶苦茶になった。

二人の目の前には片栗粉の白い山の中に

もみこんで味をしみこませた唐揚げ用の鶏肉があちこちに埋もれていた。

「もう、こんなにしちゃって、粉は全部いらないのに。」

少々ご立腹のお言葉だ。

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