君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


もう一人 の名前は、長瀬妃菜っていうらしい。


白石凜の、双子の姉・・・いや、似てないな。

よく見たら似てるのかもしれないけど、別にそんなよく見る必要も無いし・・・それ以前に、どうでもいい。


そして俺のこの興味関心ゼロな生態は、会ったばかりの他人に伝わるレベルだということが判明した。



「・・・で、俺はもう戻っていい?」

「いや、駄目。私今から荷物取ってくるから、この子見てて」

「え」

「すぐ戻るからよろしく!」


さも当然のように言うから、驚きのあまり二度見したよ。



教室に戻る事も許されなかった俺は、仕方なくベッドの横の椅子に腰を下ろした。


いつの間にか授業は終わってて、チャイムを聴く余裕も無かったの、俺。って恐怖に陥った。


蒼と昂生からは【どこに居るんだ】ってメッセージが来てたから、それに【5時間目には戻るから飯食べてて】って簡潔に返信をして、スマホを閉じた。



・・・俺、こんなところで何やってるんだろう。

隣のベッドに目を向けると、白石凜はさっきより呼吸も落ち着いてるみたいで、眠ってる。


慌ただしすぎて全く気にしてなかったけど、・・・確かに可愛い。顔が。

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