ねぇ・・君!
TDLでのカウントダウン
ある日、京都にいる
清香の実家に来客があった。
清香の母が応対をすると、
来客はみなべ町にいる
英明の姉が家族で会いにきたのだ。
突然のことで驚いた英明は、
姉たちに家に入ってもらって
話を聞いていた。
「実はね、町内会の旅行で
TDLのイベントに当たったのよ。
それが、ちょうどシンデレラ・デーの
カウントダウンの日なのよ。
それで、汽車で朝早くに
京都に来たから寄ってみたの」
「姉ちゃん、TDLのイベントって
けっこう競争率が高いよな?
オレも清香も挑戦したけど、
ハズレだったんだよ」
「そのイベントのチケットだけどね、
1枚でペアになっているのよ。
うちの家族で4人で
あと1枚余っているのよ。
せっかくだから、英明。
清香ちゃんを連れてTDLに行こう」
そういうわけで、英明は清香と一緒に
TDLに出かけることになったのだ。
イベントのチケットは、
1枚ペアで3枚6名ご招待
という田舎ならではの抽選会であった。
その抽選会に行った姉が、
特賞であるTDLのイベントの
ペアチケットを当てたのだ。
当然ながら、姉の子供たちは
テンションがマッハになっていた。
「やっぱり、清香ちゃんを
誘ってよかったわ。
うちの子たちが、清香ちゃんと
一緒に行きたいって言ったのよ」
「お義姉さん、せっかくの
家族旅行なのに申し訳ないです」
「何、言っているのよ。
あたしたちに遠慮しなくていいのよ」
そうしたなかで、英明と清香は
姉の家族たちと一緒に
TDLを満喫していた。
ところが、とあるアトラクションで
清香がしていたミッキー・マウスの
アクセサリーを見た母親がいた。
母親は、清香にアクセサリーは
どこで買ったのか聞いてきた。
実は、清香のアクセサリーは
雪恵がパリのディズニーランドで
買ったものだった。
そのアクセサリーを譲ってくれと
母親から言われたことで英明は、
清香をガードする形で守っていた。
すると、この母親が英明に言った。
「長野くんだよね?覚えていない?
同じサークルにいたんだけど…」
しかし、英明は心当たりはなかった。
すると、この母親は英明にこう言った。
「私は、待ちくたびれたから
今は別の人がいるよ。
だけど、長野くんが
よりを戻したいなら考えてあげる」
はぁっ?
何、この女。
清香は、この斜め上発言に
マジでムカついていた。
そんな時だった。
英明の姉の子供たちが、
清香を守るようにガードをして
母親に大声で言ったのだ。
「だまれ、クソババァ!
オレたちの父ちゃんと
母ちゃんの邪魔をするな!
ペンダントが欲しいなら買えよ!
大人のくせに欲しがるな!」
母親は、この時に清香が
英明の妻だと知ったのだろうか。
母親は、清香のアクセサリーを奪おうと
清香を転倒させようとしたのだ。
それを見た英明の姉は母親をビンタした。
そして、母親に言い放った。
「あんたのやろうとしていることは
人殺しだよ!あたしの妹に、
危害を加えたら容赦しないからね!」
母親は金切り声で何か言っていたが、
姉は豪快にスルーして英明と清香、
そして姉の子供たちを連れて
イベントのある会場に行くために
母親を無視して立ち去っていた。
それから、英明は清香と姉の家族たちと
一緒に夜のイベントを見た後、外に出て
シンデレラ・デーのカウントダウンをする
イベント会場に来ていた。
そして、ディズニーランドのイベントで
楽しんだ時にカウントダウンを告げる
花火が打ち上げられた。
「あなた、来てよかった」
「清香、オレたちはずっと一緒だ」
英明は、清香と出会って
夫婦となった年から今年は
家族が増える楽しみができた。
この幸せをもらった愛妻清香と見る
TDLのイルミネーションの光が、
これからの二人の幸せを
見守るかのようであった。
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