ねぇ・・君!
茶屋町オフィスでの新入社員
4月となり桜の花が咲く季節となった。
この日、英明が支店長を務める
茶屋町オフィスに新入社員が
入社をしてきた。
英明は、いつものように
朝礼を始めようとしていた。
「これから朝礼を始める。
本日付で茶屋町オフィスに
配属となった新入社員だ。
営業部社員3名そして
営業事務2名が配属となった。
それでは、新しく入社した
営業部社員3名と営業事務2名に
自己紹介をしてもらう」
英明に促されて新入社員が
それぞれ自己紹介をしていた。
「おはようございます、
名城大学から来ました松崎健吾です。
よろしくお願いします」
「おはようございます、
大手前大学から来ました小嶋美里です。
よろしくお願いします」
「おはようございます、
夙川学院短期大学から来ました
成瀬聡子です。よろしくお願いします」
「おはようございます、
大阪女子短期大学から来ました
小沢千春です。よろしくお願いします」
「おはようございます、
奈良佐保女学院短期大学から来ました
水沢亜希子です。よろしくお願いします」
今年茶屋町オフィスに
新入社員を迎えたことで
新たに船出しようとしていた。
「さて、ここでみんなに
報告をすることがある。
優子、前に出てきてくれ」
英明に促されて優子が
英明の隣に来ていた。
「これまで優子は
営業事務の仕事をしていたが、
結婚が決まったと報告があった。
これを受けて本社の佐伯常務に
後任人事を探していた。
ちょうど、4月ということが重なって
新入社員から優子の後任を頼んでいた。
優子、おまえはオレの妻である
清香の後任として本社オフィスから
人事異動で来てくれて頑張ってくれた。
オレの妻清香から手紙と一緒に
預かっている物がある。
これは、清香からのおまえへの贈り物だ」
英明はそう言うと、清香から
預かっていた物を優子に手渡していた。
実は、清香が雪恵からもらったように
優子にも幸せになってほしいと
雪恵を同じようにアクアマリンと
水晶とラピスラズリでブレスレットを
手づくりをしていたのだ。
「課長、ありがとうございます。
私は清香さんに指導をして
いただいたおかげで
茶屋町オフィスで
働いてよかったと思っています。
みなさん、ありがとうございました」
思えば、優子が本社オフィスからの
人事異動で茶屋町オフィスで
着任をしたのは英明の妻である
清香の仕事の引き継ぎだった。
この時、英明は
清香と婚姻届を出したが、
英明の前妻である
寿子の存在が残っていた。
しかし、英明は寿子の嫌がらせを
徹底的に無視をしてきた。
それにしびれを切らした寿子が、
自分の部下を使って
清香を乱暴しようとしたが
英明と恭輔がいたことで
清香は難を逃れたのだ。
このことを英明から聞いた
佐伯常務から寿子は懲戒解雇となった。
ある意味で寿子に清香を
危害を加えられないと思ったのだろう。
そして、今年から
仲間が新たに加わったことで
新しい船の舵取りを任されたことになる。
今度も同じように舵取りをしていこうと
英明はそう感じていた。
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