かすみ草の花束を。
純side
やってしまった…さすがにまずいだろ。
あいつにも成績良くないとか言っといて、今頃俺のこと嘘つきだって思ってたり……ーー
……は…?
今何思った?
散々俺のほうがあいつの言うこと嘘だの、信じられないだの言っといて…俺にそんな権利ねぇわ……
けど、嘘つきだと思われても来てほしい。
俺のとこ……
と思ったと同時に教室のドアが開いた。
「黒崎先輩……」
俺の目を見て俺の名前を呼ぶ後輩。
……なんか、泣きそうな目してる…?
隣にいる町野は何も言わない。
「…もしかして、テストの結果良くなかったか?」
金曜昼飯食った時は大丈夫そうだったからすっかり安心していた。
俺のために弁当作ってきたって言ったときは、何考えてんだって思ったけど。
俺の言葉に、頭を横に振ったこいつと町野は無言で定位置に机を動かす。
未だになぜ机をつける必要があるのかわからないが…。
成績が悪いわけじゃないなら、何でそんな泣きそうなの我慢してるみたいな顔してんだよ?
やっぱ俺が嘘ついたって怒ってんのか…?