かすみ草の花束を。
七夕の願い事
小枝side
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あれから1週間が経ち、今日は7月5日の金曜日。
午後は補習があり、テストで赤点がなかった人は午前中までで学校が終わるというラッキーデーなのだが…
私としては黒崎先輩とお昼を一緒に過ごしたかったなあと思ってしまう。
誕生日前に会える最後の日だし……
「小枝、結局黒崎先輩から言われてたプレゼント決めたの? もう誕生日明後日だけど…」
登校中、美羽から心配されているのは、黒崎先輩に誕生日だから何か欲しいもの考えとけと言われた内容である。
先週の日曜日、一緒に帰ったときも…
先輩が嫉妬したなんて言うから、私はドキドキしてあんまり話せなくなってしまったけれど、先輩に欲しいものを再び聞かれた。
昨日も一昨日もその前の日も聞かれているのだが「待ってくださいっ! ちゃんと何かお願いしますから!」と言って私は逃れている。
最近黒崎先輩がグイグイくるような気がして、どうしていいかわからない。
ドキドキしてしまって、前までどうやって先輩に接していたのか忘れてしまいそう。
「ひとつだけお願い事なんだけど、思いついたことがあって…でもこれ、私、大丈夫かなって…」
「小枝、全然わかんない…」
「あ…ごめん」
完全に1人の世界に入ってしまっていた…