かすみ草の花束を。
夏休み到来

小枝side



「キターーーっ!!」

動物園の入口にて大声ではしゃぐ私。

私の誕生日から時は過ぎ、終業式も終えて、今は夏休み真っ只中。

今日は、美羽と流川先輩、そして黒崎先輩と一緒に少し距離がある動物園までやってきました…!

まだ夏休みに入る前、お昼に先輩たちと夏休み計画を2つ立てた。

ひとつは少し遠出して、動物園に行くこと。
それが今日。

もうひとつは、木苺街にある結構大きめのプールに行くこと。

これはもともと、美羽と行きたいねと話していた。
雄大に止められていたが、黒崎先輩たちと行くのならと許してもらえた案件だ。

誕生日の日、黒崎先輩に祝ってもらって、なんだか少し先輩の特別になれたような気がして…。

もちろんそんなはずはないんだけど、でもいつか特別になれたらいいなあ…って思いはやっぱりあって、その気持ちが前よりも強くなっているのを自覚している。
"黒崎先輩の彼女になりたい"と思ってしまう自分がいることを……

あの誕生日の夜のことを思い出すと、嬉しすぎて死にそうになる。
言葉にならないくらい、嬉しかったんだ。

わざわざ家まで来てくれたことも、イヤリングも、お守りも、おめでとうって言われたことも……

最後に祝ってもらったのが先輩だってことも…。

何もかもが嬉しくて、こんな幸せもうないと思ってたのに、先輩たちと夏休みを一緒に過ごせるなんて…本当に夢みたいで信じられない。


< 222 / 396 >

この作品をシェア

pagetop