かすみ草の花束を。
小枝side
先輩のベットで眠りにつくなんて…なんて贅沢なことしてるの…!
だけど、私が目を開けたとき、先輩は私を見て泣いていた。
夢と現実の狭間でぼんやり聞こえたその声は…
" 傷つけてごめん "
そう言ったんだ。
とても儚くて、苦しそうで、今にも消えてしまいそうで……
あれは、黒崎先輩の声…?
私に言ったの?
私は先輩に傷つけられたと思ったことなんてない。
一度もない。
「私は…! 黒崎先輩のことが、出会ったときからずっと、ずーっと…大好きです…!
もし先輩が、私を突き放す理由が他にあるのなら
「嫌いだから。 出会ったときから…俺はあんたが嫌い」
「…っ…」
私の言葉を遮って、黒崎先輩はそう言った。
先輩の口から出た私への"嫌い"という単語に、心がズーンと沈んでいく。
知ってた。
前から嫌われてることは知ってたじゃないか…
それでもいいって我儘言っていたのは私自身。
「…今、は? 変わってませんか…? 少しも、好きじゃないですか…?」
少しの勇気と、少しの希望。
どうかもう少しだけ、私に力を…ーー