かすみ草の花束を。


ふざけんな……
あいつ、そんな大事なこと何で今まで…言わなかったんだよ……

…くそ…っ

違う、ふざけんてんのは俺だ…
どうして今までわからなかったんだ……

ーー" 先輩は、私のヒーローです "

泣きながら幸せそうに笑ったあいつは、あの子と瓜二つだったのに。

俺は部屋から出ると、再び武器を持って向かってくる奴らを、今までにない速さで倒していく。

"太陽の下でずっと笑っててほしい"って、そう思ってた彼女は、辛い過去を閉じ込めてずっと笑っていた。

あの時俺が言った言葉に、あいつはどれだけ傷ついたんだろう。


" …嫌いだって言ってんだろ? はぁ…何度も言わせんな。
今まで言わなかったけど、家族にも親友にも甘やかされて、愛されてきたやつ見ると反吐がでる。 そんなやつ俺は…大っ嫌いなんだよ "


あいつはあの時、どんな気持ちで聞いてた…?

ごめん…
ごめん…っ

許してくれなんて言わないから。
俺を殴ったっていい。
今度は俺が、追いかけるから。

傷つけても、突き放しても、それでもそばにいると言ってくれた花咲に…伝えたいことがあるんだ。

なあ…俺の話、聞いてくれるか……?ーー


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