かすみ草の花束を。


「今私…天と地がひっくり返ったくらい信じられない先輩の言葉に、頭が嘘だって言っていて…先輩の腕の中も、手の温もりも幸せすぎるから…この幸せ全部、夢なんじゃないかって……」

「……」

「だから…、次会ったときもう一度、告白してもいいですか…?」

「…っ、…なんだそれ……」

「だ、だめですか?」

「好きだって言ってんのに、また告白してくれんの?」

「…っ! 月曜になったら、魔法がとけてるかもしれないじゃないですかっ…!」

「…魔法……だとしたら一生とけないと思うけど」

「へ……?」

「信じるまで何度でも言うから、何回でも。 花咲がそうしてくれたみたいに…

俺のは好きって言葉じゃ足りないくらい重いけどな…だから今度は、花咲が覚悟して」

「…っ!?」

今日という日は、思い出したくない記憶が蘇る日なのに、先輩がそばにいるとこんなにも安心する。
先輩は、私が思い出したくないことも、見せないように隠していた弱い私も、幸せで塗り替えていくんだ。
優しさで包み込んでくれる。

今日たくさんの幸せな言葉をもらった私はもう、先輩のそばから一生離れられないと思います……

「…ーーっ…」

心の中で呟いたことにまるで返事をするように、先輩に繋がれた手が強くぎゅっと握られて、私の胸はまた張り裂けそうだった。ーー


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