かすみ草の花束を。


「日曜は無理だけど、明日も学校来いよ」

「………」

「おい、聞いてるか?」

「…先輩……、明日は土曜日ですよ…!?」

「土曜でも学校自体は開いてる。 こっちはさすがに閉まってるけど」

先輩が言う"こっち"というのは、今私たちがいる旧校舎のこと。
土日でも学校で勉強する人がいたり、部活生が活動するため、ここの学校は開いているらしい。
部活にも入ってない私はまだ来たことがないのだが。

「誰も使ってない教室たぶんあんだろ」

勉強を教えてもらえる上に、休日まで先輩に会えるの!?
しかも2人きりで……?

「先に言っとくけどスパルタだから、覚悟しとけ」

……ドキ…ン

あぁ、ずるい。
やっぱりずるい……
どうしてそんなにかっこいいんですか…?

そうやって優しくされると、もっともっと好きになるんだって、先輩わかってるの?
嬉しくてまた泣きそうになる。

「…はい…! ありがとうございます…っ!」


先輩の目を見て気持ちを伝える。

どんなに先輩を想っているのか
どんなに先輩に感謝してるのか

先輩に届くように…この溢れ出るわたしの好きを。


「黒崎先輩!

大好きです…っ!」ーー


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