どうも、弟です。

「……仲直り、してくれる……?」


やっと出てきた私の言葉に、雪くんは優しく微笑んで、うなずいてくれた。

「ごめん」って、呟きながら。


「あ、そうだ」

「え?」

「一花、これあげる」


何かを思い出したように、雪くんが私に何かを差し出してきた。

雪くんから受け取ったのは……


「これ……もうすぐはじまる花火大会のチケット…?」

「そ。期末テスト終わったら夏休みだろ?」

「あ、ありがとう……」


雪くんと、花火大会かぁ……

え、二人っきりで花火大会って、なんかデートみたいじゃない!!

どうしよう、秋くんになんて言ったら……!!


「それで、秋と行ってこいよ」

「……え…?」


雪くんから言われた言葉は、意外なものだった。

よく見ると、受け取ったチケットは2枚に重なっている。



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