どうも、弟です。
「…でも、お前の心はもう、秋だから……秋しか見えてねえから……」
「……っ」
雪くんの、切ない表情と悲しげな声で、なんだかこっちまで苦しくなる。
「ごめん、自分でもコントロールできなくて、泣かせてごめん。素直になるとかやっぱまだその…恥ずかしいし、またたぶん一花を泣かせることもあるかもしれない」
「……雪くん…」
「初めてなんだ」
「え……?」
自分の髪をつかんでいた手を伸ばしてきて、今度は私の頬に優しく触れた。
雪くんも、緊張しているのがすごく伝わってくる。
だってこんなに、熱を持っているから。
「誰かのことで、こんなに一杯一杯になったり、焦ったり、嬉しくなったり、しんどくなったりするの……初めてなんだ」
「……っ」
名前の通り、まるで雪みたいに白い肌が、今はこんなに真っ赤になって
今にも泣き出してしまいそうなくらいに、苦しそうな顔で
言葉は落ち着いていても、私にはまるで叫んでいるみたいに聞こえる。
痛いくらい、気持ちが伝わってくる。
雪くんも、戸惑ってたんだね……。