どうも、弟です。
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「一花~~~もう保冷剤なくなるよ~~」
花火大会が終わって、秋くんとお別れした私は
自分の家には帰らずに、そのまますみれの家に向かった。
泣きはらした目を、すみれが持ってきてくれた保冷剤で必死に冷やす。
熱を持った瞼に当てられた保冷剤はみるみる柔らかくなっていき、その役目を果たして、また冷凍庫に戻され、新しい保冷剤を出し…の繰り返し。
「目、腫れすぎ!! どんだけ泣いたのよ一花っ」
「う…っ、だって、すみれ…わ、わたし……っ」
辛くて、苦しくて。
気持ちも涙も止まらない。
「なんとなく察してはいるつもりだけど、そろそろ話せそう?」
「……うん…」
私は、さきほどの花火大会での事情をすみれに話した。