どうも、弟です。


「ふふっ」


突然、隣を歩くすみれが口元に手を当てて笑った。


「えっ、何、こわい」

「こわいって何よ!…ただ、なんだかんだ、こうして二人で学校に行くの、初めてだなーって思って」

「え、そうだったかな?」


すみれと知り合った小学校の頃を思い出す。

そういえば、小学校も中学校も、私とすみれの家の中間地点にあったから、行きも帰りもばらばらだったっけ。

白南風高校は、私の家を少し歩いた先にあるから、すみれが私の家を通ることになる。

すみれからしたら、学校の場所が今までよりも少し遠くなるのだけど…。


「なんかちょっと嬉しい」


今まで、自分に自信が無くて友達もあまり…というか全然できなくて。

それでもなんだかんだ楽しく過ごせていたのは、隣にいるこの子がいてくれたからだよね。


「…うん、私も嬉しい」


私も、すみれに笑ってそう返した。


「あっ、珍しく素直!」

「バカ、いつもです~!」


こうして今までの自分より少しかわいくなった。

無事に高校デビューして、楽しい学校生活にするぞ!


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