どうも、弟です。

二人で学校に到着し、玄関前の看板の人だかりを発見する。


「ちょ、ちょっと一花、見てきてよ」

「ええっ、なんで私が」

「あれ、たぶんクラス表でしょ?教室わからないから見てきて~」


すみれが私の背中をぐいぐいと押してくる。


「ちょ、ま、まだ心の準備が…っ」

「高校デビューでしょ!早くそのメガネ外して、行ってきて!」

「わっ」


最後に勢いよく背中を押されたため、その人だかりの中へ突っ込んでしまった。

メガネも今の反動で落としてしまった。


「……すみれめ~…」


私はそっと視線を上げ、クラス表を見る。


「えっと……風晴 一花が…A組。川滝 すみれ……も、A組だ」


しかも『かぜはれ』と『かわたき』だから席も前後!!

やった~っと心の中でガッツポーズをする。

高校でも同じクラスなんて嬉しすぎるよ~!

すみれにこの結果を早く伝えるべく、落としてしまったメガネを拾って振り返ると。



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