嘘つきシンデレラ










「はあ」




自分の呼吸で、目が覚める。


 

ああ。




体が熱くなってきたかも。




汗かいて、シャツが気持ち悪い。




「ケホ」




のどいたい。




「ゲホゲホッ」




咳が出だす。







ん?




何か、音が聞こえた気がする




さとみは、半分眠っているような意識の中、




薄く目をひらいた。




ひや。




おでこが冷たくて気持ちいい。




「大丈夫か?




だいぶ熱出だしたな」




低い男の人の声




社長?




サイドボードのわずかな明かりの中、




人影がみえる。




「何か飲むか」




立ち去りかけた葛西に、

 


さとみが、うわごとのようにつぶやく。




「社長」




「ん?」




「ごめんなさい。」




「私、いつも、いつも




迷惑ばかりかけて、ごめんなさい」




言葉の最後は涙を含んだ声になった。



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