愛は惜しみなく与う③
な、何がどうなってるん?

扉を見ると、色の抜けた髪に、不敵な笑みの男がいた



おかしいな

あたしコイツを知ってる気がする



「起きたんですね?5分くらいしか気絶してなかったですね。相変わらず頑丈な人だ」


「あんた……あたしを知ってる?」


一度も目をそらさないその瞳は、曇っていた



「水瀬 龍樹ですよ?覚えてませんか?」


水瀬…こいつが…記憶にあるような気がするその名前と、このニヤけた顔

あたしは知ってる



全てが結びついたとき、身体が震えた


おかしい

なんでこんな事なってるんやろう



逃げれるかな


不安になってきた



「あんた、スコーピオンの幹部やな」



思い出した


サトルの隣にいたコイツを。いつもニヤニヤして周りを見ていた薄気味悪いコイツを。

あたしがそう答えたのを聞いて、満足そうに微笑んだ



あぁ

なんや


スコーピオンか

烈火の敵じゃなくてよかった




「サトルはどこ?」


みんながいない時でよかった。サトルがいるならあたしは……

きっと殺してしまうから

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