愛は惜しみなく与う③

「…おい、あと1分で終わらせろ」


水瀬はイライラしながらあたしに告げる

でも、どうやって説得したらいいか分からへんくなってしまった


「あたし、大丈夫やねん。やから、帰って!烈火のみんな連れて帰って。あたしも事が終わったら帰るし」



『俺は強いよ』


「は?そんなん分かってる。でも、今はそう言う事を言ってるんじゃなくて…」


『杏?よく聞いて?』


なんでやろうか。涙があふれてくる
お別れしなあかんのに
決心が揺らぐ。



グスン
鼻をすすり目を押さえた




『杏は烈火の一員だ。メンバーの面倒は俺が見る。杏が始めに俺を拾ったんだぞ?大丈夫だ。
俺を信じろ。あと少しでいいから…諦めるな』


そう強くいわれた



「こんなんや思って…うぅ。拾って…ない」


アホやろ
拾ったんあたしやのに、そこから拾い直されたのはあたしや。



『俺は杏に拾われて、嬉しかったよ。なぁ、もう少し頑張れないか?』


「…わからへん」


頑張れるか自信ない
だって一回諦めたんやもん。
もう失うものはないって、言い聞かせて…
どんだけ汚れようが、復讐のためならって魂を売ろうとしたもん
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