愛は惜しみなく与う③
頑張れるかは、わからへんよ…


『わかった。じゃあ…頑張らなくていいから』


電話越しで少し泉が笑った



『頑張らなくていいから、俺のことは信じてて』



「うん…!」


頑張らなくていいよ

もしかしたらあたしが1番言って欲しかった言葉なのかもしれない。
頑張らなって…ずっと思ってたから

頑張ることは出来なくても、泉を信じることはできる



『ありがと。じゃ、入り口から離れて?』


「………へ?」


『俺を信じて』




携帯を耳から離して水瀬を見る


「終わったのか?」


貸せよ!と携帯をあたしの手から奪い取ろうとしたのと同時



部屋の扉が物凄い音を立てて壊れた




「杏!!!」

「……!!泉!?」


驚いた
さっきまで電話越しに聞こえていた泉の声が、直接あたしの耳に届いたから


そしてあたしを見て、少し悲しい顔をした


それに気づいてあたしは、咄嗟に胸元を隠す


水瀬に付けられた首の跡や、触られた跡…脱がされた服は、泉には見られたくなかった


「こい!」

水瀬があたしの腕を引っ張ろうと手を伸ばしたとき



あたしと水瀬の間に、近くに置いてあった椅子が飛んでくる
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