愛は惜しみなく与う③


「車停めておくので、先に中に入っておいてください」


そう志木は言い、あたしたちは車から降りた。
志木は近くの駐車場に車を停めるらしい。それはええんやけどさ?

朔と泉が…



「こ、こ、こんな高そうなところ、入れない」



志木がチョイスした店を見て固まっていた。
いや、あたしでも気がひけるわ。

門構えからして高いところやろうし、なんせホテルみたいに入口で人が待ってる



「おい!金そんなもってねーよ!」

「俺も…定食分くらいしかない」

「大丈夫。あたしなんてジュース買うくらいのお金しかないわ」


慌てる2人の手を引いて店に近づく



「東堂様とお聞きしております」

「うん。個室がいい」

「勿論ご用意致しております」


和装の綺麗なおばさま達に対応してもらう。もう…わざわざこんな高いところにせんでもええのに。

あの泉も少し小さくなってる



「なぁ、そこにいる方が緊張するで?中行くで」



店の看板をぽかんと見る2人に声をかけると、あたしから離れまい!と2人とも駆け寄ってきた
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