黒と白の境界線〜心理学者の華麗な事件簿〜
京と遼河は料理が運ばれてくる間、楽しく話をした。普通の会話はカウンセリングとは違い、自分自身のことを話していい。京にとってリフレッシュになる。

「お待たせしました、オムライスです」

「ありがとうございます」

先に、遼河の頼んだ料理が運ばれてきた。京は「先に食べてもらって大丈夫よ」と微笑む。

「いいんですか?じゃあ、お先にいただきます!」

遼河はそう言い、スプーンを手にする。スプーンを上からギュッと握るように持った。上手持ちだ。京はその様子を眺めていた。

遼河がオムライスを半分ほど食べ終えた頃、京の頼んだハンバーグが運ばれてくる。京もナイフとフォークを手にし、食べ始めた。

「おいしい!」

「ですよね?」

二人でそんなことを言いながら食べていると、京のスマホに電話がかかってきた。末良刑事からだ。京は席を立ち、トイレへと向かう。

「はい」

「先生、今大丈夫?」

「ええ、大丈夫です。どうされましたか?」
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