mariage~酒と肴、それから恋~《7》
そこそこ背も高い、骨太っぽい細身体型。
上はスエットに下はジーンズにスニーカーっていうラフな格好。
仕事帰りかな?何の仕事してるんだろう?

「…あのお兄さん、怒らせちゃったな」
加地くんが店を出てすぐ、ぼそっとおじさんの誰かが呟いた。

「ごめんね、お姉ちゃん。おじさんたち調子乗っちゃって…」
おじさんABCは反省したのか、それぞれ謝ってきた。

「そうよ!反省しなさい!オッサンがそろって若い女の子からかうんじゃないの!メッ!」
栄子さんがABCに注意すると、

「はい、ごめんなさい」
ABCは素直にシュンと肩をすぼめた。
何だ、かわいい奴らじゃないか(笑)

「大丈夫ですよ!栄子さんご馳走さま!」
レジにいる栄子さんのところへ清算に行く。

「加地くんに助けられちゃったね~」

「そだね」
あたしったら、助けられたのに、お礼一つ言えなかった。
「…ねぇ、栄子さん、加地くんて何してる人?」

「すぐそこの桧周(ヒマワリ)重工の工場で働いてるって言ってたよ」

「へぇ…」
大手じゃん。
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