mariage~酒と肴、それから恋~《7》
「テレビで観たんだよね~。
ニンニクのにおい対策にね、リンゴジュースが良いんだって。
だから、店行ったあとは、いつも買ってるの」
って、聞かれてもないのに、何しゃべってんだか。

「…効果あんの?」

「…多分」
牛乳よりは効果あると…思う…気がする。

「におい気になるなら食べなきゃ良いじゃん。
ニンニク抜きの餃子だってあるんだし」
淡々と言いながら、加地くんは野菜ジュースを取って迷わずカゴに入れた。

明日の朝ごはんでも買いに来てたのかな?
カゴにはパンやヨーグルトが入ってる。

「んー、気になるけど、餃子にはニンニクが入ってるほうが良いんだよね~。
滋養強壮に良いって言うでしょう?
気休めかも知れないけど、食べて力つけて、来週からも仕事頑張ろうって!」
恥ずかし。
言ってて色気ないわぁ~。
自分の頭に手を置いて苦笑い。

ふーんと涼しげに見下ろしてた加地くんは、
「…あー、なるほど」納得した顔で小刻みに頷いた。

うん、話が通じる。
加地くんて無愛想だけど、話せば会話ができる人だ。

レジを終えて、コンビニの外へ出る。
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