mariage~酒と肴、それから恋~《7》
「じゃ」さっさと背を向けた加地くんを
「あの!」強引に呼び止めた。
首だけ振り返ってあたしを見る。
「加地くん。さっきは、ありがとう」
店で言えずじまいだったお礼。言えて良かった。
「何のこと?」
加地くんは、ぼんやり首を傾げた。
「さっきの中華のお店で……、あ…、覚えがないなら、いいの。
あたしが助かった気になっただけだから…」
加地くんは、少し考えるそぶりをしながら体をこちらに向けた。
「…ああ、モテないとか、かわいそうって言われてたやつ?」
グサ…。はっきり言うなぁ~(苦笑)
「そう、それ」
「30代で独身だと色々言われるよな…」
つまらなさそうな顔で加地くんは視線を宙に漂わせた。
「あはは、だよね~…」
確か、お母さんに結婚急かされてるって言ってたもんな~。
「結婚するかしないかなんて本人の自由だろ。
嫌なら、ほっとけってはっきり言って、堂々としてりゃいいだろ」
「うん、そうだよね。
でも、いつかは縁があれば結婚したいとは思ってて。
でも、結婚したいって言うと、もっとああしろ、こうしろって言われそうだし。
じゃあ独身でいいんです!とも言い切れなくって。
…なんか情けないけど」
「あの!」強引に呼び止めた。
首だけ振り返ってあたしを見る。
「加地くん。さっきは、ありがとう」
店で言えずじまいだったお礼。言えて良かった。
「何のこと?」
加地くんは、ぼんやり首を傾げた。
「さっきの中華のお店で……、あ…、覚えがないなら、いいの。
あたしが助かった気になっただけだから…」
加地くんは、少し考えるそぶりをしながら体をこちらに向けた。
「…ああ、モテないとか、かわいそうって言われてたやつ?」
グサ…。はっきり言うなぁ~(苦笑)
「そう、それ」
「30代で独身だと色々言われるよな…」
つまらなさそうな顔で加地くんは視線を宙に漂わせた。
「あはは、だよね~…」
確か、お母さんに結婚急かされてるって言ってたもんな~。
「結婚するかしないかなんて本人の自由だろ。
嫌なら、ほっとけってはっきり言って、堂々としてりゃいいだろ」
「うん、そうだよね。
でも、いつかは縁があれば結婚したいとは思ってて。
でも、結婚したいって言うと、もっとああしろ、こうしろって言われそうだし。
じゃあ独身でいいんです!とも言い切れなくって。
…なんか情けないけど」