mariage~酒と肴、それから恋~《7》
口ずさみつつ席に着くと、隣の加地くんが眉間にシワを寄せてこっちを見た。

…機嫌悪い?
「…ど、どうかされました?」
思わず敬語。

「横で連呼されたら食べたくなるだろ」

「あ~」ははは。
「じゃあ、加地くん餃子定食にしなよ!一緒に食べよ~」

「…じゃあ、それで」

「お酒ならレモンチューハイがオススメだよ~」

「…じゃあそれで」

不服そうでも同意。
何か嬉しいな。

「はい、お疲れ~!乾杯♪」

同時に出されたチューハイで乾杯する。

しばらくして、あたしには餃子オンリー(二人前)、加地くんには餃子定食が出来上がった。

いつも通り、カリカリに焼けた餃子。
ブレない美味しさだわ~。

「どう?餃子とレモンチューハイって合うでしょ?」

自信満々にすすめた手前、口にあうかちょっと心配になって横を伺うと、感心したように表情をやわらげて頷いた。
「うん、うまい」

良かったぁ~。
「餃子にはビールも良いけど、やっぱりレモンチューハイなんだよね~。
餃子の油っこさも、レモンが酸っぱくてスッキリして、疲れた体にしみる」
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