mariage~酒と肴、それから恋~《7》
今週も頑張った、あたしお疲れー。
自分で自分を労って、ほーっと息をつく。

「餃子で滋養強壮、レモンで疲労回復!
これで加地くんも来週からも頑張れるね♪」

「だと良いな」

「加地くんは仕事何してるの?」

栄子さんからは工場勤務って聞いたけど。
いきなり馴れ馴れしかったかな?
でも、もう少し加地くんのこと知りたいなぁ~なんて。

すると加地くんは、椅子の背もたれに置いたあたしのトートバッグを指差して「それ」と言った。

「それ?」って、どれ?

指の先には、バッグチャームの飛行機。

「そのエンジン設計してる」

「ーーえ!!これのエンジン?!
本物の飛行機のエンジン設計してるの?」

「うん」

飛行機をバッグから外して、加地くんと交互に見た。

だから前回、この飛行機ガン見してたのか!
飛行機に食いついて子どもか!なんて思ってゴメンなさいだよ。

機械系のエンジニアなんて超理系。
文系のあたしからしたら未知の世界だわ。

加地くんの横顔を眺めて、ほうっと感心する。
「すごーい!加地くん頭良いんだねぇ~」

「…別に、そんなことないけど」
< 23 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop