mariage~酒と肴、それから恋~《7》
「…へ?」

急に聞かれてポカンとしてたら、加地くんは餃子定食についてたミニサイズの杏仁豆腐を指差した。

「俺ちょっと苦手だから」

「杏仁豆腐、あたしは大好き!」

「甘いものも疲れに効くんじゃなかったっけ」

「うん、言うよね。わーい、デザート、遠慮なくいただきます♪」

加地くんの手から、杏仁豆腐を両手で受け取る。

「あらー?2人とも、いつの間にそんなに仲良くなってたの?」

栄子さんが厨房から身を乗り出して、あたしと加地くんを見てニンマリ笑っている。

言葉の意味以上の含みを持たせた言い方。
すぐそうやって、めざとく色恋に結びつけたがるんだから。

栄子さんは、あたしが貰った杏仁豆腐を見つめてニコニコ笑い続けている。

「栄子さん、どうかしたの?」

「杏仁豆腐。懐かしいわ~。
結婚前にね、私もここで旦那から貰ったわ~と思って」
うふふ~と栄子さんは照れ笑いして身をくねらせた。

栄子さんの色恋絡みの話。
そういえばあんまり聞いたことなかった。

「その話聞きた~い!
栄子さんとご主人の馴れ初めって、どんなだったの?」
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