mariage~酒と肴、それから恋~《7》
栄子さんたら、いつものお節介。
興味ないって人にまた結婚すすめてるよ…。

「ふーん…勢いね…」
加地くんは、物憂げな顔をしたまま呟いた。

「そうよ!勢い大事よ!
私も、悪くないかなと思ったからOKして今に至るんだから。
結婚って、案外良いものよ」
満足げに笑う栄子さんの言葉に嘘はないと思う。
栄子さんとご主人は、ずっと仲良いもん。

ううう、羨ましい…!
あたしだって、チャンスあれば迷わずYESと飛び込む決心はついてるってのに、肝心のチャンスが舞い込まないんだから…。

「出会いで一番多いのは職場でしょ?
あなたたち職場で出会いないの?」
厨房に戻った栄子さんがこっちを見て首を傾げた。

ーー何度となく色んな場面で聞かれた台詞だわ。
職場結婚って、多いパターンなんだろうけど…。

「ダメダメ、あたしの職場なんて、既婚者しかいないもーん」
頬杖ついて、ふて腐れて口を尖らせた。

「じゃあ、加地くんとこは?」

「…男しかいないな」

加地くんの答えを聞いて、何かひらめいたのか栄子さんは目を輝かせた。

「あら~♪なら、なごみちゃん、加地くんに会社の男の人紹介して貰えば?」
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