mariage~酒と肴、それから恋~《7》
加地くんは、肩越しにあたしを見下ろして、
「何、急に無口になってんだよ。
いつもベラベラしゃべってんのに」
吹き出すように笑いがもれて、肩が揺れた。

「いや、だって…」

「さっきの話の続きだけど、どうする?」

ど、どうするって…

「…あの、あたしの聞き間違いかもしれないから、もう一度言ってくれないかな?」

「もう一回?」

「お願いします」

「結婚の話題の流れで、俺としとく?って言った」

落ち着いた様子で、さらっとすごい台詞!
やっぱ聞き間違いじゃなかったんだ!

何この急展開!!

思考が上手く働かないのに、ドキドキ跳ねる心臓が、その先を期待していた。

「か、加地くん、結婚に興味ないんじゃ
なかったっけ?」

「興味ないけど、しないとも別に決めてなかった。
機会がふってわけば、そのとき次第で、しなくもない。くらいの感覚だな。
なんか栄子さんの話聞いてたら、そろそろ考えた方がいいのかなって…。
思ったらすぐ言えって言ってたし」

リンゴジュース飲みながら、何でもないことの話でもしてるような淡々とした調子で言う。
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