冷徹社長の初恋
「このビルには、複数の会社が入っているんです。30階建てなのですが、そのうちの24階から30階が、うちの会社になります。これから、社長室のある、30階へ向かいますね」

「はい」

「社長は朝一で仕事を終えて、自分で町田さんを迎えに行きたがっていたのですが、ちょっとしたトラブルで、電話対応に追われていまして……」

「そんなお忙しい時に、お邪魔してもよかったんでしょうか?」

「もちろんです。社長の方からお願いしたんですしね」

到着したエレベーターに、乗り込んだ。

「社長は……ずっと仕事一筋で、常に眉間にシワを寄せてるんです。仕事に関して、決して妥協を許さない人ですから、社員に恐れられがちなんです。もちろん、ちゃんとした信念を持って、誰よりも仕事熱心な方なので、尊敬もされているんですけどね。
でも、なんせあの鋭い視線でしょ?知らない人は、かなり怖いと思います」

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