冷徹社長の初恋
清水さんが立ち去ると、途端に春日さんの雰囲気が柔らかくなった気がする。なんだろう……清水さんが言っていた、トラブルを解決してホッとしたんだろうか。

「絲、待たせて悪かったな」

「いえ。大丈夫ですよ」

春日さんは、私に笑みを見せて向かい側に座った。

「やっぱり、社長さんともなると大変なんですね。休日の早くから対応をしているなんて……」

「絲達教員だって同じだろ?出勤時間も退勤時間も、定時なんてまるで関係ないし、休日出勤だってあたりまえじゃないか」

「言われてみれば、そうですね」

苦笑する私に、春日さんが申し訳なさそうな顔をした。

「忙しいのに悪いな。早く終わらせられるよう、早速進めよう」

そう言って、数枚のプリントを手渡してきた。新しい見学の案のようだ。

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