冷徹社長の初恋
「絲、まずは忘れ物の鉛筆を渡しておく」

「すみません。全員に確認しますね。もし持ち主がいなかったら、またお返しすればいいですか?」

「いや。その時は絲が使ってかまわない。もう持ち主の見つけようがないからな」

それもそうか。春日さんもそう言うなら……

「わかりました。わざわざ届けてくださって、ありがとうございます」

「いや、かまわない。俺が絲に会いたくて来たのだからな」

「えっ?」

私に会いたくてって、どういうことだろう。

「絲は今、何歳なんだ?」

急に個人的な質問をされて、戸惑ってしまう。

「え、えっと、26歳ですけど……」

「ああ、警戒するな。興味があって聞いてるんだ。俺も応えないとフェアじゃないな。俺は38歳だ」

「えっ?」

興味があるって言われたのも気になるけど、それ以上に春日さんの年齢に驚いた。
それが顔にも出ていたようで……

「絲から見たら、もうおじさんか?」

「い、いえ。そんなことはないです。ただ、もう少しお若いかと思っていたので」

「そうか。絲からそう言われると嬉しいな」


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