冷徹社長の初恋
「からかってるか……
でも、本当に、絲は何でなら餌付けできるんだろうな」

不意に射抜くような視線を向けられて、たじろいでしまう。
からかってるんだよね?

春日さんと私は、12歳もの年の差がある。妹のような感じでからかわれているのかも。
でも、この視線はなんだろう。なんだか落ち着かなくなる。

なんて言っていいのかわからず、冗談で流すこともできず、俯いていた。

「そうだ、絲。早速だが、見学のことは、俺の方で叩き台になる案を考えてみる。それをもとに、絲の意見を聞きながらまとめていきたいんだが、再来週の週末の都合はどうだ?」

急に話を変えられて、拍子抜けしてしまう。

「ちょっ、ちょっと待ってくださいね」

急いで手帳を取り出して、確認をする。

「えっと……土日のどちらでも大丈夫ですよ。何もなければ、休日出勤しているぐらいですから」

「俺が呼び出すことで、仕事が滞ったりしないか?」

「どちらかなら大丈夫ですよ。いつも、休日出勤は一日だけで回せてるので」

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