冷徹社長の初恋
「お待たせしました」

心地よい香りを漂わせながら、注文したハーブティーが運ばれてきた。
浮ついた気持ちを落ち着かせる、よいタイミングだった。

「いい香りですね。この香りだけで癒されます」

「そうだな。絲がそんなに嬉しそうにしてくれると、その表情にも癒されるがな」

「なっ、えっ……」

なんだか、すごいことを言われた気がする。落ち着けたはずの気持ちが、再びそわそわし出して、頬が熱くなるのがわかる。

「か、春日さん、からかわないでください。恥ずかしくなってしまいます」

「ははは。すまない。さあ、いただこう」

ハーブティーの香りをもう一度吸い込んでから、一口飲んだ。

「おいしい。ハーブティーって、思っていたよりクセがなくて、飲みやすいです」

「本当だな。絲。ほら、クッキーもあるぞ」

「ありがとうございます。って、なんか餌付けされてるみたいです」

「ははは。そうかもな。絲は、餌付けしたら懐いてくれるのか?」

「も、もう。からかいすぎですよ」

いつになく春日さんが笑っていて、すごく自然な雰囲気で気安さすら感じる。ついつい私の口調も馴れ馴れしさが滲んでしまう。
春日さんは、まだくすくす笑っている。

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