冷徹社長の初恋
「私でよろしければ、ご一緒させていただきますよ。なかなか同じ趣味の人に出会えなくて、一人で行ってばかりなので、誰かと行けるのなら私も嬉しいですし」

「そうか。それじゃあ、見学の協力をしてくれるお礼に、これが終わった時に誘わせてもらう」

「はい。楽しみにしていますね」

「ああ」

再び優しい笑みを向けられて、ドキドキしてしまう。

「絲。それじゃあ、会社に来てもらうのは、再来週の土曜日でもいいか?その日の朝一で、一つ用件があるから、俺も会社に出てる。絲は、そうだなあ……10時頃に会社に来られるか?」

「大丈夫ですよ」

「場所は後で連絡するとしよう。タクシーを手配しておくから、乗ってきてくれ」

「いえいえ。電車で行くので、大丈夫ですよ」

「いや、こちらが頼んでいる上に、会社まで呼び出すんだ。絲にとっては、完全にボランティアなんだから、それぐらいはささてもらう」

タクシーでなんて、贅沢すぎる。でも、力強く言い切られて、断ることはできそうになかった。

「それじゃあ、お言葉にあまえさせていただきます」


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