続・カメレオン王子とひとりぼっちの小鳥ちゃん
「え?
れ……礼音……くん?」
いきなり現れた礼音くんにビックリして、
私は礼音くんの腕からするりと逃げ出した。
「琴梨、勘違いしてるから」
「勘違い?」
「俺は、誰とも旅行なんて行ってないし、
琴梨以外に好きな奴なんていないし」
「でも……
美容院から出てきたときに……
旅行に行こうって……」
「あれは、同僚の里奈が
勝手に言ってたことだろ?」
「だって、ホテルもキャンセルしていなかったし、
旅行に行く準備もしてあったし……」
「それは……
旅行までに琴梨が俺の所に帰ってきたら、
行けるように……
俺だって、すっげー楽しみにしてたんだからな。
琴梨と旅行に行くの」
「じゃあなんで……出ていったの?
後藤さんの結婚式の時に、
私、すみれ色のワンピース、
着ていかなかったのに……」
「それは……
俺が……柳田って奴に嫉妬したから……」
「柳田さんって、図書館の?」
「琴梨が一人でお話会をした日あっただろ?
その日さ、
琴梨に内緒でお話会を見に行ってたんだ」
「え?」
「実は……美容院を抜け出せるときは……
こっそり絵本を読む琴梨を見てて……
その日も、見てたんだけどさ……
え……と…… その……
琴梨が、柳田って奴に微笑んだから……」
「要するに礼音くんは、
イケメン司書の柳田さんと琴梨が、
仲良くお喋りしているのを見て、
嫉妬しちゃったんだよね?」
ニヤリとしながら言う翼先輩の言葉に、
礼音くんはうつむきながら、
コクリとうなずいた。
翼先輩は、まだ礼音くんを追い詰める。