続・カメレオン王子とひとりぼっちの小鳥ちゃん
なんか……
子供と一緒に来ているお父さん達が、
みんな琴梨を狙っている気がしてきた。
これは俺の悪い癖。
琴梨のことが好きすぎて、
男がみんなライバルに見えてしまう。
勝手に、ライバルとレッテルを貼った
お父さんたちを見回すと、
琴梨への眼差しが、俺に近い男を発見。
ファンファンファンファン!!
警告音が、俺の頭の中に鳴り響いている。
誰だ?あいつは?
どの子の父親だ?
よくよく見ると、首から名札を下げていた。
もしや……
あいつが、新しいイベント担当?
最近琴梨が言っていた。
今まで山本さんっていうベテラン司書が、
読み聞かせ会を担当してくれていたけど、
退職して新しい人になったって。
確か名前は……
柳田(やなぎだ)だったような……
その男は、24歳の俺らよりも、
2、3歳くらい上。
背が高くて、細身で、メガネが似合う。
笑うと目じりが下がり、
優しい雰囲気をまとっている。