三日間の幸福
平良が暗い部屋でライトを点けて荷造りをする。
あっという間だ。
あっという間に平良はまた遠くへ行ってしまう。

もう二度と会えないのだろうか。
「次」はあるのかな。

「平良、ありがとう。」

私は平良に向けて言う。
平良が顔を上げる。

「明日はもう大阪に行っちゃうんだもんね。また一人だ。」

そう言って口元に笑みを浮かべてみる。

けど、どうしようもなく寂しい。
孤独。

抑えていたはずの涙が溢れ出た。

ボロボロ、ボロボロ。
泣いちゃダメだと思えば思うほど溢れ出てくる。

寂しい。

「沙和?」

平良が私の頭に優しく手を置く。

「大丈夫。」

また強がる。
でも嘘じゃない。
きっと私は大丈夫。

一人でも生きていける。

すると、平良の手が優しく私を引き寄せた。
平良の懐かしい腕の中。
すごく暖かい。

「困らせたらごめん。」

平良が話し出した。

「ん?」

腕の中で答える。
平良が私の方を見る。

「しつこいかもしれないけど、俺、沙和のことが好きだよ。」

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