三日間の幸福
大学3年の秋
10年前。
大学3年生の秋。

私はずっと微熱続きの風邪気味だった。

「風邪ひいた?」

鼻をかんでる私に向かって平良が言う。

「うん。風邪ひいたかも。」
「布団増やせば?」

そんな会話をしながら、平良はパンを簡単に食べてさっさと大学へ行ってしまった。

私は3コマから。
1,2年でたくさん単位取ったから今年はかなり余裕がある。

少し横になる。

最近食欲もない。
だるい。

風邪ってかかるとダメージが案外大きい。
健康って素晴らしいことだと改めて感じる。

ふと今日の日付を見て胸がドキッとする。

あれ、もう今日金曜日?

脳が思考停止する。

まさか。
え?まさか。

そういえば、予定通りなら月曜日には来てるはずだ。

嫌な予感がした。

どうしよう。
なんで?
いつ?

そう思ってる時に突然の吐き気。
今朝はまだ何も食べてないのに。

トイレに駆け込みながら、これはまずいと直感的に思った。

生理が遅れていた。

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