金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
その横にあるベッドに座った瑠璃がうなづくのを確認して、デスクチェアを引き出して…私は浅く腰掛けた。



ちょうど真ん中辺りのブロックを引き抜く。


走って来たせいか、指先が吐く息と共に少し震える。


「 ……頭をなでられる。」


ブロックに書いてある言葉を読み終える前に、瑠璃は大きな手で私の髪をくしゃっと撫でた。


まるで…そのブロックを私が選ぶであろうと知っていたかのように…。


瑠璃の手の平から伝わる体温と厚みに、自分の身体全体が溶ろけてしまうのではないかと思ってしまう。


もう、恋はしないと思っていた。

そして……

これが恋なのかと言うと、それは今の私にはまだ分からない…。


ただ……瑠璃に、会いたくて、会いたくて…

ここへ走って来たことには、間違いない。

そして、今…瑠璃の手の平に包まれたいと思っていることも、間違いない。

「何?そんなに急いで…(笑)」

「 ………ホントだね……ははっ…おかしいよね私。(笑)」

なんだかホッとして…泣きそうになる。

「 俺の番っ!」

瑠璃は優しくうなづくと、サッと迷いなく一つブロックを引き抜いた。
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